2014年10月20日月曜日

映画「アロハの心をうたい継ぐ者」を観て

10月のおとなの学び研究会は、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷで行われた「関西クィア映画祭」に参加し、極上の映画を観て、写真の居酒屋でその感想を語り合うという展開でした。この映画祭は、「クィア」をキーワードに、「性」とそれに関わる「暮らし・生き方」をテーマにした 映像作品を集めて上映されました。
短編も含めて3本の映画を観ましたが、メンバーの心をわしづかみにしたのが、「アロハの心をうたい継ぐ者Kumu Hina」です。ハワイでは、トランスジェンダー(ハワイ語で“マフ mahu”)は女性と男性の間/両方、両性の強さをもつ存在として古くから尊敬を集めていました。“マフ”であるヒナ先生(Kumu Hina)は、ハワイの歌と踊を若い世代に伝えているハワイ原住民。このヒナ先生の暮らしや生徒たちにアロハの心を伝えるドキュメンタリー作品です。見終わったとき、じーんとハワイの真髄と人間の温もりがやってきます。「性的少数派かつ民族少数派」というダブルマイノリティを生きるヒナさんの力強さが感じられる作品でした。以下、メンバーの感想を今回と次回に分けて紹介します。
野中さん。ハワイに行きたくなりました。最後のヒナさんのダンスを生で見たいと思いました。ありのままでいい、認められることが幸せなんだと感じられる、見たこともない映画です。人というのは、弱いものですね。愛し合っているのにけんかがある。愛して、愛されつづけたい、そんな願いが伝わってくる作品でした。
山本さん。「クィア」とは、「オカマ」「ホモ」「ヘンタイ」など、性の領域で“ふつう”ではないと考えられる人々に差別的に使われる言葉だったのを、逆手にとって、あえて「クィア」を使うことで運動を進めていると思います。これを男女共同参画センターの中で取り上げたのは、初めてではないかと思います。上映にかかわる努力、この映画祭をすてっぷでやる意味、そういう裏の話も含めて、わかってくることがあると思います。でも、ハワイのフラダンスって、とても奥深いものがあるんだと感じました。
今井さん。映画が別々の3本なんだということを知らずに見たので、最初ちょっととまどいました。ハワイというと、フラダンスがまず頭に浮かびますが、単にきれいに踊っているのではないことが分かりました。民族問題があることを、こんな形で知ったのはよかったです。

2014年9月27日土曜日

「ある精肉店のはなし」 こんな家族の中で

前回に引き続いて、おとなの学び研究会のメンバーの感想を収録します。写真は、北出精肉店の肉を焼いて食べているところです。とてもジューシーでした。
野中さん。2回目なので、食肉の仕事が特別な仕事ではないんだということを感じました。印象的なのは、お孫さんがおばあちゃんの手を引いてと場に連れてくるシーンです。すごく自然で、誰かに言われてというんじゃなく、おばあちゃんをいたわっているところがいいと思います。いろんな人が集まれる家に育ったからこそ、あんな気遣いができるのかなと感じました。
笹野さん。初めて見ましたが、家族の絆、家族の団らんが、印象に残っています。一家で団結して、互いに影響し合いながら生活が成り立っているところに感動しました。子どもが生まれたら、こういう家族の中で育てられたらいいなと思いました。
鶴岡さん。2回目です。自分の知っている人がいっぱい出てくる映画です。みんなそれぞれ覚えていますが、さっき話の中で、盆踊りで私が音頭を取ったことを覚えていてくれて、来年は帰ってきて音頭聞かせてと言ってくれました。四人ともおちゃめな人です。貝塚の青年部時代に、夜間の活動があって、そこでも顔を合わせたのですが、映画のような労働をしてから参加していたんだなと、思いました。どの方も、おだやかにしゃべってくれ、物事を深く捉えられています。見習いたいと思いました。
西村寿子さん。映画のあとのシンポジウムで、澄子さんが「お父さんはいつもはまじめだったけど、どうしてお酒を飲むと荒れたのかが分かるようになった」と発言してましたね。あの発言がいいですね。それから、静子さんは、全てわかってはる、そんな感じがしました。それから、最後の牛をさばいてから、家族だけで牛をさばく場面を撮るために、もう一回牛を割ることになったところ、改めて全てのメディアは構成されているのだと思いました。
浮穴さん。初めは退屈やったけど、最後のトークで、ちょっと納得できた。出演者は、みんな役者や。見ている方は、初めは退屈やけど、だんだんとこんな映画はないのではないかと思えて来る。
岡田。カメラワークがいいなと感じました。女性カメラマンだそうですが、監督との意思疎通がうまく行ってないと、あんなふうな映像を撮ることは難しいのではないでしょうか。とくに北出家の食卓の映像が印象的ですね。入れ替わり立ち替わり食事することもあれば、大家族みんなで囲むこともある、あの場所はいつまでも僕の中に残ると思います。

2014年9月26日金曜日

「ある精肉店のはなし」を観て 

「ある精肉店のはなし」の上映会に参加し、監督や出演者のトークを聞き、北出精肉店の肉を堪能したあと、やはりおとなの学びのメンバーで居酒屋へ行こうということになりました。私たちの研究会は、昼間のおしゃべりと居酒屋のおしゃべりが混然となって成立するのです。今日は、メンバーのひとこと感想の前半をお届けします。写真は、中庭のパーティをたのしむ監督と出演者です。
浅野さん。家業があって、家族が一つになっていくことの良さを感じました。今、そのようなことが失われていることが、子どもたちの悩みや生き辛さに表れているのかも知れません。
久保さん。いいドキュメンタリーは、人をていねいに描いています。澄子さんが、「もう何でも撮って」とおっしゃるほどに、入り込んでいたからこそ、登場した人が役者のようになっていったのではないでしょうか。
室井さん。暗いけど、温かい映画だなと思いました。浮穴さんが富田林の公民館にいらっしゃったとき、アジアの映画まつりを企画されていましたが、そのときのことが蘇りました。
今井さん。地元貝塚に住んでいながら、と場に行ったことがなかったんです。でもこの映画と出会って、自分の子どもにも見てほしいし、その子と付き合っている相手にも見てほしい。この映画はとても自然体で、人権とか差別を声高に叫ぶのではなくて、毎日の生活をコツコツやり遂げていくことによって、親の暮らしが見えてきて、自分たちの暮らしが見えてくる。そこがいいなと思いました。いろんな人に見てほしい映画です。
西村信子さん。初めて見たときはこわかったけど、2回目の今日はストレートに入ってきました。職人としての手早い動きを見ていると、何故牛をさばくことを差別や偏見の目で見られたのかなと疑問が浮かんできます。泉南市で上映会をしたとき、監督さんに来ていただいて、「出会いの映画です」とおっしゃっていました。今日は、この映画の全てを受け入れることができたように思います。
大西さん。泉南に出かけたとき、北出精肉店を訪ね、新司さんに話を聞く機会がありました。映画を見て、その時の話と重なるところがたくさんありました。北出二三子さんが入院して、退院したとき、家族みんなで迎える場面が、なんと温かいんだろう。やっぱり、家族の温かさがいいなと思いました。
鷹家さん。今日は2回目ですが、1回目は映画のあと新司さんのお話を聞くことができました。何しろ、画面どおりのまじめな方です。今回の映画を撮ることについて、いろいろな反対があったそうですが、それでもやろうと決断された思いも、その時お聞きしました。そういう思いが、この映画に結実しているように感じます。全国でこの映画が自主上映されていることに、拍手を送りたいと思います。

2014年9月24日水曜日

映画「ある精肉店のはなし」女たちのぶっちゃけトーク

おとなの学び研究会のメンバーで、9月20日にリバティおおさかで行われた「ある精肉店のはなし」という映画の上映会に参加しました。メンバーがそろって行こうということになったのは、映画もさることながら、監督の纐纈(はなぶさ)あやさん、映画に出演した浅野澄子さん、北出静子さんのトークがあること。そして、何より北出精肉店の肉を焼き肉にして食べることができるというイベントが付いていたことです。何度かにわけて紹介していきますが、まずは写真のぶっちゃけトーク。進行は、この映画の仕掛け人である太田恭治さん。太田さんから、全国でこの映画の自主上映が広がっていること。また、今年度の文化庁映画賞 文化記録映画部門大賞と辻静雄食文化賞を受賞したことが紹介されました。上映に際して、監督や北出新司さん、北出昭さんがお話をされることが多いそうですが、今回は新司さんのお姉さんである浅野澄子さんと妻の北出静子さんの話を聞くことができました。トークを全て紹介したいところですが、澄子さんの発言を一つだけ共有したいと思います。なお、3人の女性は映画にも出てきますが、盆踊りの仮装で登場してくれました。
〈私が年頃のときは、自営とか肉屋とかと場と言うことに抵抗がありました。でも解放運動がはじまって、なぜ父が読み書きができないのか、その中で必死で働いて、夜お酒を飲むと荒っぽくなるのかがわかってきました。父だけではなく、地域のおっちゃんやおばちゃんが、たいへんな中で子どもを育ててきて、やっぱり教育が大事やという願いに触れてきました。子どもたちには、やさしい気持ちで人と接すること、相手の立場でものを見ること、そんなことを身につけて欲しいと思います。今回の映画では、監督のあやちゃんが、いろんなことを話していく中で、すぐに目に涙いっぱい浮かべて聞いてくれるんです。あやちゃんの純粋さに心打たれて、なんぼ撮されてもええわという気持ちになりました。〉

2014年9月3日水曜日

三陸鉄道を乗りにゆく 青春18きっぷの旅

 前回の研究会の大西英雄さんのレポートは、「三陸鉄道を乗りに青春18キップで行く」でした。8月中旬に友だちと4泊5日の東北への旅を、写真で構成したアルバムで報告してくれました。大西さんは、企業の人権啓発担当者で、大阪同和・人権問題企業連絡会の理事長を務められましたが、現在は退職しておられます。企業にお勤めの時、東北大震災が起こり、その8月に南相馬にボランティアにも行かれました。今回は、震災後の東北を再び辿っていく旅になります。
 まず参加者から「青春18キップ」って、若者が使うキップかと思ってましたというツッコミが入ります。大西さんによると、退職された方がこのキップを使って旅行される場合が多く、乗り換え駅では高齢の方が同時に移動していることがよくあるとのことでした。5枚1組のこのキップを有効に使っての旅のレポートを聞いたり、アルバムを読ませてもらって、やがて私も退職したときに、こんなふうに時間をたっぷり使う旅がしてみたいと思いました。「おとなの学び研究会」は、横軸には多様な職業、活動をしている人があることですが、縦軸には30代から60代までの年齢のひろがりを上げることができます。少し先をゆく世代が何を考え、どう生きておられるのか、それを「まじめなおしゃべり」の中で感じ取れることが、私に変化をもたらしてくれるのだと思います。

 全てをご紹介できませんので、一つだけエピソードを。写真のように三陸鉄道で津波の影響で何もなくなってしまった浜を眺めながら北上します。そして帰路、宮古から盛岡までJR山田線で被災した一人の女性の話しを伺うことができたそうです。以下は、大西さんのレポートです。
〈震災時、その女性は、母親の看病で気仙沼の山手にある病院にいたとのことで、医療関係の方々の大変な働きを見たことを話してくれました。その中で、看護師の方が自宅が津波で流され、今着ている制服と通勤するときに着ていた私服の2枚しか着るものがない、そんな状況で一生懸命に働いてくれた姿が忘れられない。私に書く力があれば、書いて残しておきたいと話してくれました。〉
 5日間の旅は、もちろん同行したお友だちとの対話は貴重なものでしょうが、地元の人とこのような会話をし、自分の中に鎮めて持ち帰られた大西さんの旅に学ばせてもらいました。

2014年8月31日日曜日

この夏に研修で感じたこと、共有したいこと

8月30日に開催した「おとなの学び研究会」では、この夏に企画したり、担当した研修、また自分が参加した研修について思ったこと、感じたことを出し合いました。一番盛り上がったのが、泉南市教育委員会の「人権教育講座」についての共有でした。この講座については、企画した人、講師をつとめた人、参加した人がそろっています。企画した人は「こんな講座をやりたいと思っていたことが大西さん、浮穴さんを招いて実現したので、とてもうれしかった」と。講師を務めた人は、「担当者のハッキリした思いが伝わり、何度もやり取りができたので、話しやすかった」「参加者の参加度が高く、みんさん話し始めるととても熱心で声のトーンも高かった」と。そして、参加した人からは、「日頃はこの研究会で大西さんや浮穴さんとおしゃべりしているけれど、改めて聞かせてもらって、とても感動しました」「大西さんの人権に関する失敗談が、こういう話を出していいんだという雰囲気をつくって、とてもやわらかくて、しかもみなさんの目がキラキラしている研修でした」と。

次に話題になったのは、高野山で毎年8月に行われる「部落解放・人権夏期講座」に参加した方々の感想でしたので、その講座を挙げてみます。
「ヘイトスピーチがもたらすもの~在日コリアンの若者たちのリアリティから考える」という講座では、ヘイトスピーチに対して何もしなかった、何もできなかったという若者が多くいたこと。「つながり」があってはじめて、人は行動を起こせるのではないかという言葉が印象的でした。
「今日の被差別部落におけるひとり親家族の生活実態調査から」という講座では、いろいろな要因が重なってしんどい思いをしている保護者の実態が明らかにされたことと、でもその中で子どもには差別をしない子に育って欲しいという願いがあるということを受け取ることができました。
映画の夕べで上映された「みんなの学校」(関西テレビ)という作品は、支援教育の対象となる子どもたちだけでなく、みんなの居場所をつくることを大切にしながら、子どもと教職員、そして地域の人も加わって作り上げてきた大阪市立南住吉大空小学校の記録がすばらしかった。この小学校の取組をもっと知りたいとの感想に、豊中市人権教育協議会では、このDVDを視聴して、校長先生を招いた研修を持ったときの話が出ました。
最終日の講演「障害者支援施設「麦の郷」における雇用機会創出の取り組み」がとてもインパクトがあったので、阪急オアシスでその「麦の郷」の商品を手に入れようとしたけれども、売り切れていたそうです。地域でとれたものを地域で商品化して、地域で販売していく、その戦略に注目していきたい、と。

この他にも、自分が参加された教員免許更新講習での話では、子どもが「じゃかましい」「うるさい」といった言葉を発するけれども、それをそのまま受け取るのではなく、その子の背景とか、その中でその子がどんな思いをしているのかを見ていく必要があるというスクールカウンセラーさんの話が印象的だったこと。またある教員研修では、人間が一人前になるのは、自分一人でなんんでもできることだと思ってきたけど、自分では出来ないことでも、人の力を借りることができることが重要な力ではないかと改めて思ったという発言が心に残りました。

また、実際におこなった「わくわくスタンプラリー&かるたづくり」の取り組みの過程を紹介したり、自作のおしゃべりがはずむシートを持ち寄って配布したりして研修の方法を共有しました。私からは「動詞からひろがる人権学習」のエピソードを使った研修の進め方を紹介しました。

おとなの学び研究会に参加しますと、いろんな研修を受けた気持ちになったり、これから行う研修のヒントをもらったり、そして何よりメンバーとのおしゃべりにパワーをいただくことができます。研究会が終わりますと、何時ものように会場の近くで「居酒屋ワークショップ」を行います。今回のお店は、とてもレトロな居酒屋で、かんてきに炭をいこして、鶏肉や鯵や野菜を焼いて盛り上がりました。メンバーのOKが出ましたので、飲み物や料理が運ばれる前のショットをアップします。(岡田耕治)

2013年1月21日月曜日

レゴでつくるおとなの学び

2013年1月19日、おとなの学び研究会のメンバー8人で、三重県人権大学講座フォローアップ講座のワークショップを行いました。午前中は、鷹家さんがメインのファシリテーターになって、「ワールドカフェで季節暦」。午後からは、大西さんがメインになって、「おとなの学びをどうつくるか」を大切な問いとしてのワールドカフェ。この時、メンバーそれぞれがどのように「おとなの学び研究会」のことを捉えているのかをレゴで表現しました。ワールドカフェでは、一輪挿しを各テーブルに置くなどおもてなしの心を大切にしますが、今回は私達8人がそれぞれホスト役を務めましたので、テーブルにはこのレゴを置きました。みなさん、この研究会の多様性とそこからくる楽しさ、創造性といったものを表現しています。